2024年度 量子ネイティブ人材育成プログラム「NICT Quantum Camp」プログラム実施に向けた参加者募集のお知らせ
お知らせ
お知らせ
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長: 徳田 英幸)は、量子コンピュータや量子暗号通信などの量子ICTを使いこなす高い知識/技術を持つ「量子ネイティブ(Quantum Native)」の育成を目的としたプログラム NICT Quantum Camp(NQC)プログラムを実施しています。2020年度から実施している本プログラムは毎年、定員を大幅に超えての応募に恵まれ、量子に関する初学者から研究や実務で関わる方までの幅広い受講生が参加して、昨年度も大好評に終えることができました。 今年度も、(1)体験型人材育成プログラムと(2)探索型人材育成プログラムの2つの育成プログラムを実施しています。NQCでは、量子ICTの知識の広報や交流の場として、量子ICT分野の活性化を目指しています。量子ICTに関心のある方の参加をお待ちしています。
背景
量子コンピュータや量子暗号通信に代表される量子ICTは、従来型を超える性能を提供し得るものとして、大きな期待を集めています。しかし、新しい分野のため、基礎技術の研究開発や、産業応用に向けた試行が続けられています。また、人材が豊富とはいえない状況にあり、内閣府による量子技術イノベーション戦略の最終報告においても、「量子ネイティブ」育成の重要性がうたわれています。このような背景から、NICTでは、量子ICTの人材育成を効果的・効率的に進める量子ICT人材育成プログラム「NICT Quantum Camp」(NQC)を実施しています。
NQCプログラム
NQCでは、量子ICTへの理解や関心に応じて、「公開セミナープログラム」、「体験型人材育成プログラム」、「探索型人材育成プログラム」を実施します。公開セミナープログラムは、技術革新が目覚ましい量子ICTの最新動向の把握するための講義に加え、量子ICT分野で稼ぐ、研究するための道案内となるようなセッションを実施します。体験型人材育成プログラムは、量子ICTに対してより深く学びたい方を対象とした対面・オンラインによる講義や量子ICTワークショップを提供します。年間での長期間のプログラムにより、知識だけでなく量子ICT分野の講師や受講生たちとのネットワーキングも大事にしています。 探索型人材育成プログラムでは、量子ICTに関する研究開発の実施を支援します。
【NQC体験型人材育成プログラム参加者募集】
体験型人材育成プログラムでは、50名程度の受講生を募集し、対面・オンライン環境にて講義・演習を実施します。大学や産業界から、量子ICTの第一線で活躍されている方々を講師にお招きして講義・演習を提供します。受講生は、これらの第一線の専門家から、量子ICTの基礎、各分野の成果やこれからの方向性、課題について学ぶことや、量子プログラミング演習や学んだことの振り返り資料の作成など、学びの先のアウトプットの経験も積むことができます。専門家、受講生、修了生たちとの交流や、有志で任意に自主勉強会を開催するなど、量子の世界に飛び込む環境を提供します。講義・演習は、8月から2月まで、毎月1~2回程度のペースで土日に実施します。
応募要項・講義スケジュールは「NQC体験型人材育成プログラム」のページ参照してください。
【NQC探索型人材育成プログラムの課題募集】
探索型人材育成プログラムでは、量子技術や関連周辺技術に関する個人単独又はグループによる調査・研究・開発・応用課題(5件程度)を募集します。採択者には研究支援金が支給され、自由に自律的に提案課題に取り組んでいただきます。NQCの講師陣、受講生、修了生の方々との議論、助言・指導を受ける機会を通じて、直面している問題の解決や研究開発能力、プレゼンテーション能力の向上に繋げていただければ幸いです。 中間発表会と最終成果発表会で活動内容や成果を紹介していただきます。ご自身の研究を、初めて聞く方々にもわかりやすく伝えようとする姿勢を歓迎します(本コースのメリットをより一層享受できます)。調査・研究・開発・応用の様々なフェーズで課題を選んでいただいて結構です。
こんな方々、ぜひ応募を考えてみてください!
- ◆量子の研究を深めたい、量子の世界を自在に操りたいが、それ以前の泥臭い技術的問題でつまずいており困っている、知識やノウハウの吸収が追い付かず、量子の世界にたどり着く前に挫折しそう...。
- 量子の研究には、量子以外の様々な知識や技術も必要です。一人で抱え込まず、周りにどんどん聞いて解決しましょう。本コースでは、NQCの多様な関係者から適切なヒントを迅速に得られます。
- ◆量子技術分野の動向(各組織や人々が何を目指して何をやっているのかなど)を自分で調査、整理したい。
- 新規成果を目指す研究だけではなく、調査活動も歓迎です、NQCにとっても有益な取り組みです。
- ◆現在取り組んでいる問題や事業に量子技術がうまく使えるかもしれないが、だれに聞けばよいか、どこから調べればよいかわからない。
- 量子技術の概要を手っ取り早く吸収するのに、本コースはうってつけです。一流の講師陣や周りの受講生に聞いてしまうのが近道です。
- ◆まだ勉強を始めた段階で、新規の成果を出すところまで行けるか自信がない。
- ご自身の興味を皆と共有し議論する姿勢があれば大丈夫。NICTのスタッフや受講生と議論を通じて、適切な目標の設定や研究戦略の立案に繋げることができます。一歩一歩小さな目標をクリアしてゆきましょう。
- ◆量子技術の応用に興味があり、量子応用や量子をサポートするソフトウェアや技術の開発に興味がある。
- NQC内の専門家や修了生たちには、そうした応用に詳しいものもいます。量子を活用した応用ソフトウェアやサービスや、量子技術をサポートするための古典ソフトウェアなど、幅広い提案も受け付けます。
- ◆量子分野の教育や普及に興味がある。
- 教育や普及のための検討などもテーマ設定可能です。NQC自体も教育プログラムです、NQC内部を利用した教育の取り組みや、講義などを支援してくれるような取り組みも歓迎します。社会実装、ビジネスモデルなどの視点でも何かを形作るアイデアをお待ちします。NQC内の専門家や修了生たちの多様な知識やバックグラウンドがみなさんの取り組みの支援になるでしょう。
- 研究開発期間:2024年8月 - 2025年3月
(2024年11月に中間発表、2025年3月に成果発表(最終発表)を実施予定) - 過去の課題例は「REPORT」ページを参照してください。
応募要項は「NQC探索型人材育成プログラム」のページ参照してください。
その他、詳細はプログラムページをご確認ください。
NICT Quantum Camp(NQC)プログラムチラシも併せてご確認ください。