2023年度体験型人材育成コース
プログラム
本ページの情報は、詳細が確定次第、随時更新予定です。
プログラム概要
- 大学や産業界から、量子ICTの第一線で活躍されている専門家から、量子ICTの基礎、各分野の成果やこれからの方向性、課題について学ぶことができます。
- 量子ICTの専門家や受講生同士の交流など、量子の世界に飛び込むための一歩を提供します。
- 量子ICTに関心のある他の受講生たちと仲間になり、量子ICTの課題や応用について検討する機会をもてます。
人材育成方針
- 量子ICTについて関心がある方を対象にしたコース
- 量子ICTの技術領域への入り口として設置したコース
量子ICTの基礎を理解し、量子ICT領域に参画する人材の育成を目指します。
育成内容
量子ICT領域に参画する人材の育成のため、
- 量子ICTへの理解を持ってもらうために、量子ICTの専門家からの講義を提供します。
- 量子ICT応用を考える勉強会を実施し、アウトプットについて考える機会を提供します。
- また、それらの専門家の方と直接に相談や議論などの交流の機会を提供します。
NQC参画の専門家の方々
青野 良範
国立研究開発法人
情報通信研究機構
サイバーセキュリティ研究所
セキュリティ基盤研究室
主任研究員
荒木 智宏
宇宙航空研究開発機構
第一宇宙技術部門
衛星システム開発統括付き
井戸 哲也
国立研究開発法人
情報通信研究機構
電磁波研究所 電磁波標準研究センター
時空標準研究室
室長
井元 信之
東京大学 特命教授室
特任教授
小野寺 民也
日本アイ・ビー・エム株式会社
技術理事
東京基礎研究所 副所長
國廣 昇
筑波大学 システム情報系 教授
小芦 雅斗
東京大学 工学系研究科 教授
小坂 英男
横浜国立大学
横浜国立大学 量子情報研究センター・センター長/
大学院工学研究院・教授
小林 有里
日本アイ・ビー・エム株式会社
東京基礎研究所 量子人材開発担当
佐々木 雅英
国立研究開発法人
情報通信研究機構
オープンイノベーション推進本部 主管研究員
NICTフェロー
篠原 直行
国立研究開発法人
情報通信研究機構
サイバーセキュリティ研究所
セキュリティ基盤研究室
室長
高安 敦
東京大学大学院
情報理工学系研究科
数理情報学専攻 講師
武岡 正裕
慶應義塾大学
理工学部電気情報工学科 教授
田中 宗
慶應義塾大学
理工学部物理情報工学科 准教授
慶應義塾大学
ヒト生物学-微生物叢-量子計算研究センター (WPI-Bio2Q) 副拠点長
早稲田大学
グリーン・コンピューティング・システム研究機構 客員准教授
東京工業大学
国際先駆研究機構量子コンピューティング研究拠点 特定准教授
情報処理推進機構
未踏ターゲット事業(アニーリング部門)プロジェクトマネージャー
寺井 弘高
国立研究開発法人
情報通信研究機構
未来ICT研究所 研究統括
戸川 望
早稲田大学
大学院基幹理工学研究科
情報理工・情報通信専攻 教授
早稲田大学
基幹理工学部長 兼 大学院基幹理工学研究科長
豊嶋 守生
国立研究開発法人
情報通信研究機構
ネットワーク研究所
ワイヤレスネットワーク研究センター
研究センター長
沼田 祈史
日本アイ・ビー・エム株式会社
東京基礎研究所 量子人材開発
早坂 和弘
国立研究開発法人
情報通信研究機構
未来ICT研究所 小金井フロンティア研究センター
量子ICT研究室
副室長
福田 剛志
日本アイ・ビー・エム株式会社 執行役員
東京基礎研究所 所長
藤原 幹生
国立研究開発法人情報通信研究機構
量子ICT協創センター
研究センター長
山本 直樹
慶應義塾大学理工学部物理情報工学科 教授
量子コンピューティングセンター センター長
楊 天任
株式会社QunaSys CEO
バンミーター,ロドニー
慶應義塾大学 環境情報学部 教授
政策・メディア研究科委員
慶應義塾大学 量子コンピューティングセンター
副センター長
1年間の流れ
講義日程 | 講演タイトル | 講義概要 | 講義担当者 | 所属・肩書 | 認定対象 |
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オリエンテーション | NQC2023受講生によるオリエンテーション | - | |||
量子コンピュータの基礎・構成 | 「量子コンピューティング基礎」 | 山本 直樹 | 慶應義塾大学 理工学部物理情報工学科 教授 / 量子コンピューティングセンター センター長 | ○ | |
量子プログラミング | 量子プログラミング準備等 | 横山 輝明 | NICT Quantum Camp(NQC)事務局 国立研究開発法人情報通信研究機構 量子ICT協創センター 主任研究員 |
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FERREIRA GUIMARAES FILHO NILTON | NQC卒業生 | ||||
量子コンピュータと暗号技術 | 暗号技術はインターネット通信など、安全性に関わる様々な分野で使用されており、 ネットワーク社会において欠かせない基盤技術である。 十分な規模の量子コンピュータが完成すると、現在広く使用されているRSA暗号は容易に解読されることが知られている。 この講義では現代暗号の基礎から、量子コンピュータを用いても解読が困難な耐量子計算機暗号について簡単に紹介する。 さらに量子コンピュータを用いたRSA暗号の解読法を説明し、それをシミュレータで体験する。 |
國廣 昇 | 筑波大学 システム情報系 教授 | ○ | |
篠原 直行 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 サイバーセキュリティ研究所 セキュリティ基盤研究室 室長 |
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青野 良範 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 サイバーセキュリティ研究所 セキュリティ基盤研究室 主任研究員 |
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高安 敦 | 東京大学大学院 情報理工学系研究科 数理情報学専攻 講師 |
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「量子コンピュータ」 「量子通信」の次に来る、 「量子中継ネットワーク」 |
グーグル、マイクロソフト、インテル、IBM など米国企業を中心に飛躍的に発展しつつある量子情報分野、 量子コンピュータのみが注目されていますが、量子通信の発展もアリババなど中国企業を中心に急速に実用化が進んでいます。 その次にやって来る第三の波は、量子コンピュータと量子通信をシームレスにつなぐ量子中継ネットワーク。 これが量子コンピュータネットワークや将来の量子インターネットにつながります。 その開発競争が米国ならびにオランダ、ドイツ、イギリスなどEU諸国を中心に本格化しています。 本講義では、その最新の動向と共に、量子もつれ、量子テレポーテーションなど、量子中継の仕組みをわかりやすく解説します。 従来から原理実証に使われてきた冷却原子、量子ドットに加え、近年脚光を浴びるダイヤモンド NV 中心について、 その卓越性と研究開発状況についても、実施例を交えてご紹介します。 |
小坂 英男 | 横浜国立大学 量子情報研究センター・センター長/ 大学院工学研究院・教授 |
○ | |
10:00-15:30 |
量子情報通信と量子暗号 |
量子暗号は、光の量子性を活用した新しい暗号技術であり、量子コンピュータを含む いかなる計算機でも解読不可能な極めて高い機密性を実現できる。 講義前半では、量子情報通信分野全体の概要を紹介した後、必要な量子力学の復習と量子暗号の基本的な仕組み、 ファイバーネットワークにおけるフィールド実証例や実用化に向けた取り組みや今後の展望などについて紹介する。 講義後半では、量子暗号の最大の特長である、そのセキュリティについて深掘りし、今用いられているセキュリティの 指標とその意味や、盗聴検知の結果からセキュアな暗号鍵の長さを定量的に決定する考え方について説明する。 デコイ法の仕組みや装置認証など、今実用化が進んでいる装置に関するトピックも合わせて取り上げる。 |
小芦 雅斗 | 東京大学 工学系研究科 教授 | ○ |
武岡 正裕 | 慶應義塾大学 理工学部電気情報工学科 教授 | ||||
10:00-15:00 |
体験型 振り返り会(1) | ○ | |||
Hands-on Workshop on Quantum Teleportation ハンズオンワークショップ 量子テレポーテーション |
Quantum computers present solutions to some problems with computation complexity too high for classical computers to handle. Now that quantum computers are becoming a reality, thanks to IBM and the open-source Quantum Science Kit (Qiskit) we can understand the concepts of quantum computers and actually write and run codes to see how quantum computers will behave in the future. And what is a better start to program quantum computers than to verify the concept of quantum teleportation? In this hands-on workshop, the basic concepts of quantum computing will be explained and then used to implement and simulate quantum teleportation using Python and Qiskit. 量子コンピュータは、古典的なコンピュータでは処理できない複雑な計算問題に対して、 いくつかの解決策を提示します。 量子コンピュータが現実のものとなりつつある今、IBMのオープンソース Quantum Science Kit(Qiskit)により、 私たちは量子コンピュータの概念を理解し、実際にコードを書いて実行することで、 量子コンピュータが将来どのように動作するかを確認することができます。 量子コンピュータをプログラムを理解するのに、量子テレポーテーションの概念を検証するのは、 とても良い取り掛かりとなります。 今回のハンズオンワークショップでは、量子コンピュータの基本的な概念を説明した上で、 PythonとQiskitを使って量子テレポーテーションの実装とシミュレーションを行います。 |
バンミーター,ロドニー | 慶應義塾大学 環境情報学部 教授 政策・メディア研究科委員 慶應義塾大学 量子コンピューティングセンター 副センター長 |
○ | |
探索型 中間発表 | NQC2023受講生による中間発表会 | - | |||
14:30-18:00 |
IBM 量子コンピューター見学会 | 希望者参加型 | - | ||
同窓会(OB会) | これまでのNQC受講生による同窓会 | - | |||
13:00-15:45 |
理化学研究所 量子コンピューター見学会 | 希望者参加型 | - | ||
量子計測・標準 | 量子計測への入門として、量子力学を用いた計測の基本原理について簡単な紹介をするとともに、 (1)イオントラップ光時計とイオントラップ量子計算、 (2)光格子時計による時空計測と時系の生成、 (3)超伝導を用いた単一光子検出器と量子ビット、 について具体的な量子計測の事例を紹介します。 |
早坂 和弘 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 未来ICT研究所 小金井フロンティア研究センター 量子ICT研究室 副室長 |
○ | |
井戸 哲也 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 電磁波研究所 電磁波標準研究センター 時空標準研究室 室長 |
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寺井 弘高 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 未来ICT研究所 研究統括 |
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量子アニーリングの基礎と社会応用 | 量子アニーリングは、組合せ最適化問題の高効率解法として期待される量子計算技術として知られている。 講義前半では、量子アニーリングがどのような場面でどのように活用されるのかを、いくつかの社会応用事例を元に紹介する。 講義後半では、1998年に門脇・西森によって提案された量子アニーリングの基礎ならびにハードウェア開発、ソフトウェア開発、 アプリケーション探索の現状を解説する。 また、量子アニーリングのプログラミングを簡単に行うことが可能なソフトウェア開発環境について紹介する。 さらに、当該分野の現状の課題や今後の展望について述べる。 |
田中 宗 | 慶應義塾大学 理工学部物理情報工学科 准教授 慶應義塾大学 ヒト生物学-微生物叢-量子計算研究センター (WPI-Bio2Q) 副拠点長 早稲田大学 グリーン・コンピューティング・システム研究機構 客員准教授 東京工業大学国際先駆研究機構量子コンピューティング研究拠点 特定准教授 情報処理推進機構未踏ターゲット事業(アニーリング部門)プロジェクトマネージャー |
○ | |
戸川 望 | 早稲田大学 大学院基幹理工学研究科 情報理工・情報通信専攻 教授 早稲田大学 基幹理工学部長 兼 大学院基幹理工学研究科長 |
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10:00-15:30 |
宇宙光通信 | 量子暗号は、光の量子性を活用した新しい暗号技術であり、量子コンピュータを含むいかなる計算機でも解読不可能な極めて機密性を実現できる。 衛星を用いた量子暗号に必要となる、宇宙光通信技術について、 講義前半では、量子情報通信分野で古典通信である宇宙光通信がなぜ必要なのかから説き、宇宙光通信技術がどの様なものであるか、 またその技術的なポイントについて、極力図を用いて平易に紹介する。 講義後半では、人工衛星による量子暗号の実現に向けた取り組みと、関連する衛星光通信技術の最前線を紹介する。 衛星量子暗号技術は、空間光通信を用いる光衛星通信技術の上に成り立つものである。 まず基本的な空間光通信技術について学び、世界における光衛星通信の研究開発動向を概観するとともに、 近年ホットになってきている衛星量子暗号技術の最新動向を解説する。 |
荒木 智宏 | 宇宙航空研究開発機構 第一宇宙技術部門 衛星システム開発統括付き | ○ |
豊嶋 守生 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 ネットワーク研究所 ワイヤレスネットワーク研究センター 研究センター長 |
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10:00-14:30 |
量子技術の社会実装 | 量子技術が社会へ応用されていくには、社会実装の担い手が必要になり、その担い手として知っておくべき 技術力以外の側面を本講義でカバーします。 前半で量子技術がどのように産業応用(化学、機械学習、他)されると考えられているかや国際動向を紹介し、 後半ではイノベーション・量子技術が社会に浸透していくために必要なことについて触れます。 |
今井 良輔、高椋 章太 | 株式会社QunaSys | ○ |
IBM Qiskitワークショップ | IBM Qiskitにより量子コンピュータを応用した作品開発の演習 | 沼田 祈史 | 日本アイ・ビー・エム株式会社 | ○ | |
体験型 グループワーク振り返り会(2) | ○ | ||||
最終成果発表会 | NQC2023受講生による最終成果発表会 | - |
日程が合わない場合には、講義録画や録画発表などの手段も提供して対応します。
講義コーディネーター/アシスタント
村上 友章
NICT Quantum Camp(NQC)事務局
株式会社ギブリー
横山 輝明
NICT Quantum Camp(NQC)事務局
国立研究開発法人情報通信研究機構
量子ICT協創センター
主任研究員
応募要項
2023年度の応募は締め切りいたしました。
対象(条件)
応募条件
- 日本国内に居住する方
- 量子ICTへの強い関心を有する方
特に若手(高専生、大学生、修士・博士課程在学者)や量子技術の教育に関わる方など - 他受講生たちと共に、量子ICTへの学びとそのアウトプット機会を活かして自発的に学習できること
- PC操作や簡単なプログラミングなど基本的なICTスキルを有する方
- 本プログラムの趣旨や目的、求める人材像を理解していること
- 後記の注意事項を理解し、同意できること
注意事項
- 本プログラムで実施する研究開発の知的財産権は応募者に帰属します。ただし、本プログラムの記録や成果公開を目的とした、運営からの利用には許諾いただきます。
- 家族、通学先の先生、勤務先の上司など、関係者の理解が得られること。事前に許可がない場合、受講を取り消すことがあります。
- 未成年者が応募する場合は、応募時に保護者の同意書があること。
- 本プログラムの受講が、応募者と第三者との雇用関係等の契約に違反するものでないこと。
- プログラム参加に伴う運営側の指示に従うこと。
- 法令や常識的な社会のルール、マナーを守り、他の受講生と協調して参加できること。
- これらの注意事項を遵守いただけない場合など、本プログラムの受講を継続することが不適当と判断される際には、以降の受講をお断りする場合があります。
- 事業広報や記録のための写真撮影や情報公開に承諾できること。
修了条件
以下の条件を満たした受講生を修了生として認定します。
- 全12回の対象講義中、7回以上の出席
(対象講義は「○」のついたものです。当日の都合がつかない方はビデオ視聴も可です。) - 振り返り資料の作成と提出
- 応募期間
- 7月3日(月) - 7月31日(月)17時まで(期限厳守)
- 定員
- 募集人数 最大50名
- 費用
- 無料
- 申請書
- 申請書ダウンロード
- 応募の流れ
- 申請書を記載し、応募期間内に下記のメールアドレスまで提出してください。
NQC@ml.nict.go.jp
※記載の内容に基づき専門家により構成される有識者会議で審査を行った上で受講生を決定いたします。 - 結果通知
- 2023年8月中旬に結果をお知らせします。
- 問い合わせ先
- 募集内容に関して質問や確認がある場合には、下記メールアドレスにお問い合わせください。
NQC@ml.nict.go.jp