2024年度体験型人材育成コース 1年間の流れ

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Flow 1年間の流れ

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講義日程 講演タイトル 認定対象
講義担当者 / 所属・肩書
講義概要
オリエンテーション
NQC2024受講生によるオリエンテーション
「量子ICTの基礎知識」
井元 信之 東京大学 特命教授
量子コンピュータと量子暗号に代表される量子ICT技術全般を俯瞰する。
この分野の背景となる歴史を序とし、「量子ではじめてできるようになることは何か」「量子バージョンがまだない古典的タスクは何か」を見るため従来の「量子を使わないやり方」との比較・対応、 量子ICTの基礎知識である線型代数、量子回路 の構成、Shorのアルゴリズム、量子誤り訂正、 量子中継の目的と課題について解説し、量子コンピュータと量子通信の今後について考える。
「量子コンピュータ」「量子通信」の次に来る、「量子中継ネットワーク」
小坂 英男
横浜国立大学 量子情報研究センター・センター長/大学院工学研究院・教授
グーグル、マイクロソフト、インテル、IBM など米国企業を中心に飛躍的に発展しつつある量子情報分野、 量子コンピュータのみが注目されていますが、量子通信の発展もアリババなど中国企業を中心に急速に実用化が進んでいます。 その次にやって来る第三の波は、量子コンピュータと量子通信をシームレスにつなぐ量子中継ネットワーク。 これが量子コンピュータネットワークや将来の量子インターネットにつながります。 その開発競争が米国ならびにオランダ、ドイツ、イギリスなどEU諸国を中心に本格化しています。 本講義では、その最新の動向と共に、量子もつれ、量子テレポーテーションなど、量子中継の仕組みをわかりやすく解説します。 従来から原理実証に使われてきた冷却原子、量子ドットに加え、近年脚光を浴びるダイヤモンド NV 中心について、 その卓越性と研究開発状況についても、実施例を交えてご紹介します。
「量子コンピューティング基礎」
山本 直樹
慶應義塾大学 理工学部物理情報工学科 教授 / 量子コンピューティングセンター センター長
量子コンピュータの基礎・構成
Hands-on Workshop on Quantum Teleportation

ハンズオンワークショップ 量子テレポーテーション
バンミーター,ロドニー
慶應義塾大学 環境情報学部 教授 政策・メディア研究科委員
慶應義塾大学 量子コンピューティングセンター 副センター長
Quantum computers present solutions to some problems with computation complexity too high for classical computers to handle. Now that quantum computers are becoming a reality, thanks to IBM and the open-source Quantum Science Kit (Qiskit) we can understand the concepts of quantum computers and actually write and run codes to see how quantum computers will behave in the future. And what is a better start to program quantum computers than to verify the concept of quantum teleportation? In this hands-on workshop, the basic concepts of quantum computing will be explained and then used to implement and simulate quantum teleportation using Python and Qiskit.
量子コンピュータは、古典的なコンピュータでは処理できない複雑な計算問題に対して、 いくつかの解決策を提示します。 量子コンピュータが現実のものとなりつつある今、IBMのオープンソース Quantum Science Kit(Qiskit)により、 私たちは量子コンピュータの概念を理解し、実際にコードを書いて実行することで、 量子コンピュータが将来どのように動作するかを確認することができます。 量子コンピュータをプログラムを理解するのに、量子テレポーテーションの概念を検証するのは、 とても良い取り掛かりとなります。 今回のハンズオンワークショップでは、量子コンピュータの基本的な概念を説明した上で、 PythonとQiskitを使って量子テレポーテーションの実装とシミュレーションを行います。
量子コンピュータと暗号技術
國廣 昇
筑波大学 システム情報系 教授
篠原 直行
国立研究開発法人情報通信研究機構 サイバーセキュリティ研究所
セキュリティ基盤研究室 室長
青野 良範
国立研究開発法人情報通信研究機構 サイバーセキュリティ研究所
セキュリティ基盤研究室 主任研究員
高安 敦
東京大学大学院 情報理工学系研究科 数理情報学専攻 准教授
暗号技術はインターネット通信など、安全性に関わる様々な分野で使用されており、 ネットワーク社会において欠かせない基盤技術である。 十分な規模の量子コンピュータが完成すると、現在広く使用されているRSA暗号は容易に解読されることが知られている。 この講義では現代暗号の基礎から、量子コンピュータを用いても解読が困難な耐量子計算機暗号について簡単に紹介する。 さらに量子コンピュータを用いたRSA暗号の解読法を説明し、それをシミュレータで体験する。

15:00-19:00
体験型 振り返り会(1)
探索型 中間発表
NQC2024探索型受講生による中間発表会

14:30-18:00
IBM 量子コンピューター見学会
同窓会(OB会)
これまでのNQC受講生による同窓会

10:00-12:00
量子技術の社会実装
今井 良輔
株式会社QunaSys
Quantum Solution 事業部 事業部長、リサーチエンジニア
高椋 章太
株式会社QunaSys
Chemical Resaerch Solution 事業部 事業部長
量子技術が社会へ応用されていくには、社会実装の担い手が必要になり、その担い手として知っておくべき 技術力以外の側面を本講義でカバーします。 前半で量子技術がどのように産業応用(化学、機械学習、他)されると考えられているかや国際動向を紹介し、 後半ではイノベーション・量子技術が社会に浸透していくために必要なことについて触れます。

13:00-18:00
量子情報通信と量子暗号
小芦 雅斗 東京大学 工学系研究科 教授
武岡 正裕 慶應義塾大学 理工学部電気情報工学科 教授
量子暗号は、光の量子性を活用した新しい暗号技術であり、量子コンピュータを含む いかなる計算機でも解読不可能な極めて高い機密性を実現できる。 講義前半では、量子情報通信分野全体の概要を紹介した後、必要な量子力学の復習と量子暗号の基本的な仕組み、 ファイバーネットワークにおけるフィールド実証例や実用化に向けた取り組みや今後の展望などについて紹介する。 講義後半では、量子暗号の最大の特長である、そのセキュリティについて深掘りし、今用いられているセキュリティの 指標とその意味や、盗聴検知の結果からセキュアな暗号鍵の長さを定量的に決定する考え方について説明する。 デコイ法の仕組みや装置認証など、今実用化が進んでいる装置に関するトピックも合わせて取り上げる。

10:00-15:00
我が国の衛星QKDに向けた研究開発
横手 紗織
スカパーJSAT株式会社
藤原 幹生
国立研究開発法人情報通信研究機構 量子ICT協創センター 研究センター長
小澤 俊介
国立研究開発法人情報通信研究機構 未来ICT研究所量子ICT研究開発センター 研究員
世界各国でQKDのグローバル化の最も有効な手段としてQKDの衛星搭載化にむけた研究開発が進められている。 世界各国での研究開発動向と我が国での戦略について解説する。
希望者参加型

13:00-15:45
理化学研究所 量子コンピューター見学会
希望者参加型
量子アニーリングの基礎と社会応用
田中 宗
慶應義塾大学 理工学部物理情報工学科 准教授
慶應義塾大学 ヒト生物学-微生物叢-量子計算研究センター (WPI-Bio2Q) 副拠点長
慶應義塾大学 サスティナブル量子AI研究センター センター長
慶應義塾大学 ヒト生物学-微生物叢-量子計算研究センター (WPI-Bio2Q) 副拠点長
早稲田大学 グリーン・コンピューティング・システム研究機構 客員准教授
情報処理推進機構未踏ターゲット事業(アニーリング部門)プロジェクトマネージャー
戸川 望
早稲田大学 大学院基幹理工学研究科 情報理工・情報通信専攻 教授
早稲田大学 基幹理工学部長 兼 大学院基幹理工学研究科長
早稲田大学 量子技術社会実装拠点 拠点長
量子アニーリングは、組合せ最適化問題の高効率解法として期待される量子計算技術として知られている。 講義前半では、量子アニーリングがどのような場面でどのように活用されるのかを、いくつかの社会応用事例を元に紹介する。 講義後半では、1998年に門脇・西森によって提案された量子アニーリングの基礎ならびにハードウェア開発、ソフトウェア開発、 アプリケーション探索の現状を解説する。 また、量子アニーリングのプログラミングを簡単に行うことが可能なソフトウェア開発環境について紹介する。 さらに、当該分野の現状の課題や今後の展望について述べる。
量子計測・標準
早坂 和弘
国立研究開発法人情報通信研究機構 未来ICT研究所 小金井フロンティア研究センター 量子ICT研究室 副室長
井戸 哲也
国立研究開発法人情報通信研究機構 電磁波研究所 電磁波標準研究センター 時空標準研究室 室長
寺井 弘高
国立研究開発法人情報通信研究機構 未来ICT研究所 研究統括
量子計測への入門として、量子力学を用いた計測の基本原理について簡単な紹介をするとともに、 (1)イオントラップ光時計とイオントラップ量子計算、 (2)光格子時計による時空計測と時系の生成、 (3)超伝導を用いた単一光子検出器と量子ビット、 について具体的な量子計測の事例を紹介します。
IBM Qiskitワークショップ
沼田 祈史
日本アイ・ビー・エム株式会社
IBM Qiskitにより量子コンピュータを応用した作品開発の演習
体験型 グループワーク振り返り会(2)
 
最終成果発表会
NQC2024受講生による最終成果発表会

日程が合わない場合には、講義録画や録画発表などの手段も提供して対応します。

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