2025年度NQC公開セミナー(2025.7.4)実施報告
レポート
活動報告
NICTが主催する量子ICT人材育成プロジェクトNQCでは、2021年度より、一般公開でのセミナーを実施しています。
2025年度は、量子ICT 分野の最前線で活躍する2名の講師による講義のほか、NQC修了生より「量子ICT分野への参画、NQC修了生たちの体験や実際」と題してショートトークや座談会を実施しました。NQCが単なる「知識習得の場」に留まらず、修了後のキャリアを加速させるプラットフォームとして機能していることが確認されました。特に、異なる背景を持つ修了生同士が有機的に繋がるネットワークは、本プログラムの大きな強みと言えます。また、今年度のNQCプログラム募集の案内も実施しました。
◆ 2025NQC公開セミナー開催のご案内
◆ 2025NQC参加募集
本セミナーは126名の方にご登録いただきました。事前アンケートからは、10代はこれから研究したい学生、20代は研究に関わっている/業務上の興味関心がある方々と、30~40代で業務上の興味関心がある/産業応用への関心という、方向性が見えました。NQCへの期待されていることとして、初学者への配慮と分かりやすい学習支援、実践的・専門的な知見の深化、多様なネットワークの構築と強化、未来への展望と社会実装への関心が寄せられました。
◆ 公開セミナー[2025年7月4日(金) 13:00-17:30]当日プログラム
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 13:00-13:10 | 開会挨拶
国立研究開発法人情報通信研究機構 理事 矢野 博之
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| 13:10-14:00 | 講演 「量子鍵配送・量子暗号技術の紹介」
国立研究開発法人 情報通信研究機構 量子ICT協創センター 研究センター長藤原 幹生 |
| 14:00-14:10 | 休憩 |
| 14:10-15:10 | 講演 「日本における量子コンピュータの発展と取り組み」
日本アイ・ビー・エム株式会社IBM Quantum Japan 量子ハードウェア担当 中野 大樹 2016年にクラウド上で量子コンピュータが公開されて以来、毎年のように世代が更新され、発展を続けています。弊社IBMでは2033年の2000論理量子ビット実現に向けての開発ロードマップを公開しており、着々と技術開発を進めております。本講演では、超伝導型量子コンピュータの仕組み、開発ロードマップ、国内でのパートナーシップ、技術的課題、そして、人材育成の必要性についてご紹介します。 |
| 15:10-15:20 | 休憩 |
| 15:20-16:40 | 修了生との交流セッション 『量子ICT分野への参画、NQC修了生たちの体験や実際』 NQC修了生たちのその後について、修了生の方をお招きしてショート講演+質疑を実施します。 その後、国内外への進学につなげた方々、量子分野への就職・転職や部署異動につなげた方々、またNQC修了生でのネットワーキングの様子など、学生から社会人の方までお呼びします。 以下のトピックをお話しいただきますが、聴講のみなさまからの質問なども歓迎します!
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| 16:40-16:50 | 応募スケジュールのご案内 NICT Quantum Camp(NQC)事務局 |
| 16:50-16:55 | 閉会挨拶 国立研究開発法人 情報通信研究機構 量子ICT協創センター 研究センター長 藤原 幹生 |
| 17:00-17:30 | オンライン懇談会(任意) |
第1部のセミナーでは、量子ICTの研究開発に関わっておられる講演者から様々な話をしていただきました。講義としてのポイントや自身の体験談や研究開発での実際の話など、先生方ならではのお話について、大変興味深い内容でした。
第2部では、修了生との交流セッションとして、『量子ICT分野への参画、NQC修了生たちの体験や実際』と題して、5名の修了生からは、自己紹介も交えて、NQCに参加してどのような体験や学びがあったか、NQC修了後の量子分野との関わりについてお話いただきました。
アメリカで量子関係の研究所で働いていらっしゃる修了生、量子分野の博士課程に在学して実験に励んでいる修了生、高校時代にNQC参加をしてアメリカ留学を目指して頑張っていらっしゃる修了生など、さまざまな量子キャリアが見えてきました。また、Quantiniuum社やソフトバンク社で働く修了生たちからは、産業界の側での動きも伝えてもらいました。聴講者たちにも、量子分野への関わり方や、NQCでのネットワーキングが伝わったかなと思います。
メインセッション終了後、登壇者と参加希望者によるオンライン懇談会を開催いたしました。限られた時間内では伝えきれなかった詳細な情報交換や、より踏み込んだ質疑応答が行われました。
セミナー本編では時間の都合上扱いきれなかった専門的な質問や、個別のキャリア相談に対し、登壇者から丁寧なアドバイスが送られました。フォーマルな講演とは異なり、終始リラックスした雰囲気の中で、参加者同士の自由な意見交換が行われました。登壇者の方々にとっても、自身の経験がどのように受け止められたかという生の反応を直接得る貴重な機会となり、大変満足度の高い時間となりました。参加者の皆様の熱意と、登壇者の皆様の真摯な対話により、事務局としても非常に有意義で楽しい時間を共有することができました。このような双方向の繋がりを、今後のプログラム運営やコミュニティ活性化にも活かしてまいります。
参加のみなさまのおかげで大変良い公開セミナーを実施することができました。ご参加、ありがとうございました。引き続き、NQCの活動はWebサイトにてご案内いたしますので、よろしくお願いいたします。
◇ アンケートより参加者の声を一部抜粋
- 講演 「量子鍵配送・量子暗号技術の紹介」は、聞いたことのある話題の詳しい話や初めて聞いた言葉など色々あり興味深かったです。物理分野の話は難しかったですが聞けて良かったです。講演 「日本における量子コンピュータの発展と取り組み」で説明されたIBMのロードマップや2029年に200論理量子ビットの量子コンピュータを出すという話は印象深く、自分が思っていた以上にNISQの次の時代が近そうだと思いました。修了生の方々の話もそれぞれ興味深く、NQCに本当に様々な人が参加しているのだなと思いました。特に、自分の進路についてまだ漠然とていて気持ちだけ焦りが出ているので、様々な進路の話を聞けて良かったです。ありがとうございました。
- NQCの修了生の皆さまの進路が大変興味深かったです。
- とても勉強になりました。
- 貴重な講演ありがとうございました。修了生の方が現状の自分ではわからない領域にいる人ばかりでオンラインで会えるほど近いのにものすごく遠くの世界にいるように感じました。
- 最先端のお取り組みについて、大変分かりやすくご説明頂きまして誠にありがとうございます。
- 講演を通して、量子暗号やコンピューティングに関する現状を知ることができ、非常に貴重な機会になりました。また、過去受講者のお話を聞くことで、学べることやその経験の活かし方を想像でき、ぜひ今後の体験型に参加したいと思いました。
- 藤原様のご講演をもう少しじっくり聞きたかったです。
- 量子についての基礎知識を少しでも身につける事ができました。ぜひ今回の研修を受けてみたいと思いました。
- NQCには、量子技術の全体像を理解することと、受講生との横のつながりを作ることの2つを期待しております。
- 日本国内の取り組みも複数あると伺って居り、欧米のコンソーシアムの様にそれらを横断的に且つ切磋琢磨出来るような組織になって頂けるともっと開発・実用化を加速化出来るのではないかと思います。期待致しております。
- 量子分野の研究活動に当たり前のように必要とされる知識の習得ができることを期待しています。
上記で報告のあった、体験型プログラム、探索型プログラムという人材育成プログラムを今年度も実施しています。
体験型プログラムは半年間の月1でのオンライン講義/演習にて量子ICTを学び、探索型プログラムは半年間の量子ICT研究開発を支援します。量子ICTに関心ある人が集まり、半年間を細く長く活動をつづける中での交流や、その後の活動にもつながる場となっています。関心ある方は、昨年度の実施内容の閲覧や、修了生からの声などもご参考にどうぞ!
国立研究開発法人情報通信研究機構 理事 矢野 博之
国立研究開発法人 情報通信研究機構 量子ICT協創センター 研究センター長
日本アイ・ビー・エム株式会社