2022年度 NQC公開セミナー実施報告

NICTが主催する量子ICT人材育成プロジェクトNQCでは、2021年度より、一般公開でのセミナーを実施しています。

量子ICTについて学ぶ機会のご提供として、今年度も7月3日に公開セミナーを実施しました。 井元 信之 氏(東京大学)、佐々木 雅英 氏(NICT)、小野寺 民也 氏(日本IBM)という、第一線で活躍されている方々をお招きして、量子ICTへの背景や歴史、基礎原理から産業応用までの講義をいただきました。また、NQCとして実施している育成プログラムの修了生もお招きして、NQCプログラムの紹介についてのミニ講演の提供や、今年度のNQCプログラム募集の案内も実施しました。


2022NQC公開セミナー
2022NQC参加募集

セミナーには合計70名の方にご参加いただきました。参加への事前アンケートからは、今年度も、20代で研究に関わっている/これから研究したい学生の方々と、30〜40代で産業応用への関心という、2つの方向性が見えました。セミナーでは、量子ICTの研究開発に関わっておられる講演者ならではの、さまざまな話をいただきました。講義としてのポイントはもとより、自身の体験談や研究開発での実際の話など、先生方ならではのお話について、聴講生とともに興味深く拝見させてもらいました。

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また、今年度の新たな内容として、修了生たちからNQCでの人材育成プログラム体験談の発表がありました。

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運営が意図していた講義提供を越えて、参加者間でのつながりや、研究開発の継続、参加をきっかけとしてインターンなどへの発展など、予想を越えたプログラム活用の様子が報告されていました。運営の予想を越える活躍に大変嬉しく思いました。

プログラムの最後には、希望者たちで集まって、質疑や対話のためのオンライン懇談会を実施しました。参加者の方々と、公園で話せなかった話や質疑など、講演とも違う雰囲気での交流や意見交換を楽しめました。講演者の方々も、参加者からの反応を得ることができて大変喜んでいました。

参加のみなさまのおかげで大変よいセミナーとなりました。ご参加、ありがとうございました。
引き続きの機会もよろしくお願いいたします。

◇ アンケートより参加者の声を一部抜粋

  • 昨年度も参加させていただきましたが,より内容を理解することができました。歴史的な発展・現状での限界点・将来展望などが整理されており,勉強になりました。
  • もっと堅い雰囲気を予想していたが、いい意味でフランクな雰囲気でコメントが投げやすかったです。
  • 私は他の⽅々よりも圧倒的に基礎知識が無かったので難しい話がたくさんありましたが、量⼦に関する仮説は思ったよりも前からあったこと、⽇本でこんなにも研究が進んでいること、量⼦⼀つとっても無数に分岐していることなど、より興味深さが増し、勉強のモチベーションが上がりました。そして、量⼦の話は体感して理解できるということで、能動的に⾏動すれば実際に触れたり体験したりできるとてもいい時代に⽣まれたなと感じました。第⼀線で活躍されているような⽅々の貴重なお話を聞けたこの機会も⼤変ありがたかったです。もっと勉強して皆さんの話が理解できるようにするとともに、ICTの基礎知識もつけて体験型の応募をしてみようと思いました。濃い1⽇を過ごせてとても楽しかったです。
  • 講師の皆様のご丁寧なご解説に触れ、⼤変感銘を受けました。ありがとうございました。

上記で報告のあった、体験型プログラム、探索型プログラムという人材育成プログラムを今年度も実施しています。
体験型プログラムは半年間の月1でのオンライン講義/演習にて量子ICTを学び、探索型プログラムは半年間の量子ICT研究開発を支援します。量子ICTに関心ある人が集まり、半年間を細く長く活動をつづける中での交流や、その後の活動にもつながる場となっています。関心ある方は、昨年度の実施内容の閲覧や、修了生からの声などもご参考にどうぞ!

2020NQC実施内容
修了生インタビュー